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出張オーディオ クリニック
オーディオスケープ・コバについて
オーディオスケープ・コバについて
名前の由来
プロフィール
略歴
ふるさと八幡
私のセッティング遍歴
私の目指す音
【名前の由来】
イタリア系ドイツ人のアレックス氏と一緒に山陰を旅したときのことです。列車が姫路を過ぎて中国山脈に分け入ったとき、彼は
「Beautiful Landscape(=風景)!」と、何度も何度も連呼しました。地面の膨らみといえば、緩やかなスロープの小高い丘が延々と続く大平原の国 ドイツ。そこで育った彼にとって、重畳する緑豊かな樹林に覆われた山々の麓にひっそりと佇む民家に、えも言われぬ「美」を感じたようです。
一方、「サウンドスケープ(Soundscape)」は、音風景と訳され、風景の中にあって音は欠かすことができないとのカナダの作曲家 シェーファーの提唱により、世界的に広まった音と環境に興味をもつ人たちの情報交換の団体です。
このWebを始めるにあたり、アレックス氏の言葉とサウンドスケープの活動が私の脳裏をよぎりました。美しく、生っぽい音楽が部屋いっぱいに満ち溢れるオーディオ装置のある風景。そんな風景をつくるお手伝いをしたいと願って名付けたのが「オーディオスケープ」です。
【プロフィール】
■略歴
昭和21年10月
京都府綴喜郡八幡町(現八幡市)生まれ
昭和44年3月
同志社大学工学部電気工学科卒業
大阪音響株式会社(現オンキヨー株式会社)にセールスエンジニアとして入社
昭和49年4月
〜昭和53年9月
ニューヨーク駐在
昭和54年
NHK教育テレビの「オーディオ入門」に出演
昭和55年
「女性のためのやさしいオーディオセミナー」を企画・開催(約3年間)
昭和58年7月
オーディオ入門書「どうせ聴くなら いい音できこう」(山海堂出版)を執筆・出版
昭和59年8月
スピーカーシステム「D-77」を企画・商品化
平成18年10月
オンキヨー株式会社定年退職
平成18年11月
オンキヨー株式会社嘱託
平成21年6月
同社退職
平成21年から
2年間
ホームシアター専門誌「AV Review」に「どうせ聴くならいい音できこう」シリーズを執筆
(ペンネーム:志水隆一)
平成21年9月
ヨドバシカメラ マルチメディア梅田にてオーディオ機器を販売
平成25年7月
株式会社アバック入社 大阪梅田店勤務
平成26年6月
同社退職
■ふるさと八幡
私の生まれ育った八幡は京都と大阪のほぼ中間に位置し、平安遷都の際、京都鎮護を目的に建立された石清水八幡宮の門前町として発展してきました。町の西側を生駒山系に連なる低い山並みが走り、その山並みが宇治川、木津川、桂川の三川合流地点に向かって落ち込んでいる北端の峰・男山に石清水八幡宮が鎮座しています。
この石清水八幡宮の境内の片隅にエジソン記念碑がひっそりと佇んでいます。発明王エジソンが世界各地から白熱電球のフィラメントに使えそうな材料を集めて実験を重ねた結果、最終的に採用されたのが八幡の竹でした。この碑はそれを記念して建立されたのですが、千年を超える長い歴史をもつ八幡宮と近代文明の象徴ともいうべき電球がひと所に共存しているコントラストの妙は不思議な光景です。
男山遠景
石清水八幡宮
エジソン記念碑
この大阪府と京都府との境をなす山並みを南にたどると洞ヶ峠があります。今ではここを国道1号線が走っていますが、山崎の合戦(天王山の戦い)で大和・郡山城主の筒井順慶が日和見をしたと伝えられる場所です。明智光秀の敗戦が濃厚になったとみるや、筒井順慶の軍が我が家の前の東高野街道を明智軍めがけて北上していったとのことです。
洞ヶ峠からおよそ1.5km北に、寛永の三筆のひとりで松花堂弁当の生みの親 松花堂昭乗ゆかりの松花堂庭園があります。彼は書画だけでなく、和歌や茶道にも長じた石清水八幡宮の社僧で、晩年、男山に茶室を建てて幽栖したそうです。彼の別荘の地(? 子供の頃、この地を別荘と呼んでいました)が今は松花堂庭園として、当時の茶室などがここに移転され、大切に保存されていています。
一方、伊賀地方に端を発した木津川が町の東部から北部を通って大阪湾へと注ぎ込んでいます。この木津川には対岸の城陽市との間に流れ橋が架けられています。大雨で川の水量が増したとき、水圧で橋が橋桁もろとも壊れるの避けるため、橋の上部だけを流して、その圧力を低減する構造が採用されているところから名付けられました。ここは周囲にビルや電柱などの近代建造物がないため、時代劇のロケ地としてよく使用されます。子供の頃、母に連れられて見に行った映画にこの流れ橋が出てくると、その映画に非常な近親感を覚えたものでした。
洞ヶ峠
松花堂庭園
流れ橋
■私のセッティング遍歴
このような名所・旧跡が散在する自然豊かな環境の中で育った私は、野球やサッカー、水泳(プールではなく川や池)、あるいは魚釣りに明け暮れる、当時としてはありふれたアウトドア派の少年でした。そんな私がオーディオに目覚めたのはオンキヨーに入社してからのことで、意外と晩熟だったのです。
私はオンキヨー在職期間のほとんどを営業技術という、営業を技術面でサポートする部署に所属していました。この部署の主要な業務は新製品の市場導入で、私が担当したのは、製品資料の作成や技術講習、試聴会の実施でした。
その中で特に腐心したのが、いかにいい音を出すかということでした。なぜなら、製品に優れた技術が採用されていても、出てくる音がそれを裏付けるだけのものでなければ、その製品の評価は落ちてしまうからです。
そのため、セッティングについては研鑽を続け、新製品発表会やオーディオフェア、1,000人以上も入る大きなホールでのレコードコンサート、販売店での試聴会、また、米国駐在中はコンシューマーエレクトロニクスショーやIHFショーなど、国内外のさまざまな環境の部屋でセッティングを行なってきました。
当時はそこで出ていた音にそれほどの不満を感じなかったのですが、今振り返ってみれば、あのレベルの音に満足していたことに汗顔の思いがいたします。
そんな私に転機が訪れました。それはGS-1というスピーカーとの出会いです。このスピーカーは1台100万円もするのですが、ポンと置いただけなら10万円のスピーカーにも負けると酷評されるほど、鳴らすのがむずかしいスピーカーです。
その理由は、このGS-1が非常にクセの少ないスピーカーであるために、スピーカーの設置方法やケーブルの接続方法、アンプやプレーヤーの台の状況、部屋の音響特性など、GS-1を取り巻く環境が悪いと、その悪いところがすべて音になって現れるからです。
ところが、その環境を改善していくと、実にすばらしい音を聴かせてくれるのですが、私にとって幸いだったのは、環境を改善するために行なった対策が良かったのか悪かったのかを、このGS-1が的確に答えを出してくれたことです。
GS-1
そのため、GS-1との付き合いを重ねていくことで、セッティングに関する多くのデータを蓄積することができ、出ている音を聴けば、どこがネックになっているのか的確に分かるようになりました。
原因が分かれば、自ずとその対策方法も決まってくるので、セッティング技術は飛躍的に向上し、音響的にあまり良くない部屋であっても、自分の出したい音が完璧とはいかなくとも、人に聴かれて恥ずかしい思いをするような音しか出せないということはほとんどなくなりました。
それを可能にしたのが、GS-1との付き合いが始まってからしばらくして、 部屋の音響特性をコントロールする方法を覚えたからです。それを教えてくれたのが、音響建築の世界的権威であるベラネック氏の著書「音楽と音響と建築」でした。
そこには世界の著名なコンサートホールやオペラハウスの内部写真や構造図、あるいは構造物の材質や各種データなどが紹介され、音響に関する指揮者や関係者のコメントも添えられていました。
その本を読んでいくと、部屋の形状や構造、あるいは、壁や天井などに使用されている材質が音とどのように関っているかが分かり出したのです。とは言っても、この本から習得した知識は、コンサートホールを設計できるほどレベルの高いものではありませんが、スピーカーから放射された音が部屋の変なクセによって歪められるのを防止するのに大いに役立ちました。
音楽と音響と建築
その後10年間ほど、セッティング技術は足踏みしていたのですが、ひとりのエンジニアと一緒に仕事をするようになって再び前進を始めました。そのエンジニアは音を悪くする最大の要因を「ノイズが楽器の微小な倍音をマスキングして聴こえなくすることにある」と考え、アンプやスピーカーの中で電気的・機械的にノイズが発生するメカニズムを究明し、その発生を抑制することを音質設計の中核に据えていました。
当初、その考えに半信半疑だった私は、彼がノイズ対策を施すごとに、みるみる音楽が息を吹き返したかのように活き活きとした表情を取り戻すのを何度も目の当たりにして、セッティングの現場に彼の理論と手法を取り入れることにしました。
オーディオ機器が置かれている環境の中を「ノイズの発生」という観点から眺めると、これまで見過ごしてきた音を悪くする要因があちらこちらから浮かび上がってきました。そして、ノイズの発生源を潰していったとき、より求める音を確実に引き出せるようになりました。
■私の目指す音
ところで、オーディオは「自分の好きな音が出ればいい」という考え方があるようですが、私はその前にもっと大事なモノがあると考えています。それは演奏者や歌手が音や声に込めたメッセージが聴く人に伝わることだと思います。演奏者のメッセージが強く伝われば伝わるほど、音楽を聴いたときの感動が増してきます。私たちが音楽を聴くのは、この感動を得たいからではないでしょうか。
私はセッティングとは、このメッセージがよりリスナーに伝わるようにすることだと考えています。そのためには、プレーヤーやアンプ、スピーカー、ケーブル類、そして部屋という再生系の中で、ディスクに刻まれた音を変質させる要因を摘みとることが重要です。
そのため、セッティングに際しては次のステップで音をまとめるようにしています。
@まず楽器の大きさが分かるようにする。
A次の段階は楽器の発音構造が聴き取れるようにする。
Bそして、その楽器の音色感や演奏方法の違いがはっきりと聴き取れるようにする。
C最後に、こうした音色をもつ音像を録音エンジニアが意図する位置に定位させて、リアルなステージを作り上げる。
ドレーパーや拡散材で音響特性を
コントロールしたLAハイエンドショー
私はこうした手法で日本各地の試聴会でセッティングをしてきましたが、おかげ様で、出てきた音はいつも高い評価を得ることができました。しかし、それがそのまま世界でも通じるとは思ってもいませんでした。
ところが、ミュンヘンやロサンゼルスのハイエンドショー、あるいはベルリンのIFAでセッティングする機会を得て、普段通りのセッティングをしたところ、多くのメーカーが超高級機をデモする中、私のセッティングした普及機の音が「ショーで一番良かった」という高い評価をいずれの会場でもいただき、このセッティング方法が間違いではなかったと自信を深めると同時に、より多くの人に音楽の感動を味わっていただくお手伝いをしようと決意した次第です。
米国 「ホームシアター社」 のロサンジェルス・ハイエンドショーのレポート
ロサンジェルス・ハイエンドショーのブース写真
マッキントッシュのブース
ウィルソンオーディオのブース
超ド級ターンテーブルのブース
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