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最終決定をする
持参品を準備する
販売店の選び方
いい販売員を見つけよう
試聴に際しての注意
 
 
購入する製品の候補が決まったら、いよいよ店に出掛けて品定めです。カタログやインターネットの情報では分かりづらい仕上げの美しさや使い勝手はもちろんですが、オーディオ機器の命は音質ですから、しっかり音のチェックをしたいものです。
 
■持参品を準備する
販売店に行くとき、絶対に持参しなければならない物というのは特にありませんが、できれば持って行った方がいいものを紹介します。

<聴き慣れたCD>
普段よく聴いているCDは演奏や録音の状態をある程度把握できているので、音を判定するのに適しています。また、中には特定の音楽ジャンルに向き不向きがある製品もありますから、それをチェックするのにも役立ちます。
しかし、好きな音楽ジャンルに向いているかどうかを判定するだけでなく、機器の基本的な能力、楽器の音色や奏法の違いなどの再現力をチェックしようとするなら、次のようなディスクを選んでください。

・色付けされていないディスク
録音の際、イコライザーなどで音を加工したディスクは、声や楽器の音色が変化しているだけでなく、情報量(倍音成分)が少ない傾向にあります。特に、音を大きく加工したものは、すでに録音状態において情報量が激減しているので、そのディスクでもって楽器のサイズや発音構造、演奏方法など、楽器本来の音色の基本的な要素がどれだけ忠実に再現されているかを判定するのはむずかしいので、できるだけ色付けされていない素直に録音されたものを選ぶようにしましょう。

・低音、中音、高音が満遍なく入っているディスク
音楽は低音から高音まで幅広い音域で構成されていて、どの音域も音楽表現に重要な役割を担っているだけでなく、互いに密接な関係にあります。そのため、低音から高音まで満遍なく入っているディスクで各音域をチェックするだけでなく、各音域の関わり合いもチェックするようにしましょう。

・ボーカル曲も1枚入れておこう
私たちは人の声を四六時中耳にしているので、その特徴を熟知しています。そのため、普段楽器に接しない一般人にとって、人の声は機器の基本的な能力を判定する上で良い材料になります。もちろん、それは素直に録音されたボーカルでなければなりませんが・・・。なお、慣れてくるとボーカルを聴くだけで、機器の基本的能力のかなりの部分が分かるようになります。

<取扱説明書>
すべての機器を総入れ替えする場合は、取扱説明書を持参する必要はありませんが、手持ちの機器の一部をそのまま使用する場合、機器間の接続が物理的、電気的に問題がないかどうかの判断に自信のない人は、今後も使用を続ける機器の取扱説明書を持参してください。

例えば、家にアンプがあって、新たにレコードプレーヤーを買い替えるときは、アンプの取扱説明書を持参してください。取扱説明書を見れば、「PHONO」端子の有無、装備している場合は、MC型カートリッジに対応しているかどうかが判ります。
もしも、「PHONO」端子がなければ、レコードプレーヤーのほかに、フォノイコライザー・アンプが必要とのアドバイスが受けられます。
機器間の接続で不具合があって、何度も販売店と家の間を往復するのは避けたいものです。

<部屋の写真や図面>
いい音で音楽や映画を楽しむには、機器の設置場所を選ぶことが重要です。なぜなら、「セッティング」でご紹介しているように、置き場所で音が大きく変わるからです。(少ししか変わらないこともあります)
経験豊かな販売員なら、設置可能な場所の中でどこに設置すると一番音がいいかは、壁面の状態や壁の材質・構造などが判ればアドバイスできます。そのとき、壁面の情報が多ければ多いほど的確なアドバイスが受けられるので、なるべく詳細なものを持参するようにしてください。
 
■販売店の選び方
最近は、インターネットに膨大な情報が流れていて、そこから情報を得て、製品を決める参考にしている人が増えてきました。確かに、実際に使っている人の感想や評価はずいぶん参考になりますが、それらを鵜呑みにすると選択を誤る危険性があります。
それは掲示板の書き込みには、書いた人の主観が入っていて、それが普遍的であるとは限らないからです。中には、明らかに間違っていると思われるコメントや、意図的に、けなしたり、ほめたりしている書き込みもあるので注意をしてください。

機器を購入するのは自分が楽しむためにですから、インターネットの情報だけで機種を選定するのではなく、また、そこに書き込まれたコメントに左右されることなく、自分の目で見て、触って、音を聴いて、納得のいく製品を選びたいものです。
それには、ある程度品揃えが豊富な販売店が適していますが、初心者にとっては、品揃えだけでなく、オーディオや商品の知識が豊富で、納得のいくまで、親身になって説明をしてくれる販売員がいるかどうかも重要なポイントです。

ところで、最近は販売店で商品を見、説明をしてもらって、購入するのは値段の安いネットショップで、という悪しき風潮が蔓延りつつあります。経費をかけて店舗を構え、商品を展示し、販売員を雇ってお客様への対応に万全を期しているのに、トンビ(ネットショップ)に油揚げ(商品を買ってもらうこと)をさらわれる恰好で、販売店はたまったものではありません。

しかし、困るのは販売店だけではなく、ネットショップで買った当のご本人ということもあります。そのひとつの例をご紹介しましょう。それは2ちゃんねるの掲示板にあった次のような書き込みです。
「○○店(私が勤務する店)で、△△(私がセッティングした20万円ほどのオーディオシステム)の音が良かったので、ネットで買ったが、いい音がしない」というものです。
この人はおそらく、納得のいかない音を我慢しつつ聴いているか、すでにオークションに出品したのではないでしょうか。

オーディオやホームシアター製品は、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電と違い、使いこなしによって出てくる音に大きな差がつきます。
購入したあとも、もっといい音にしたい、音が少し変だ、グレードアップをするにはどの機器を入れ替えたらいいか、等々、自分で解決できないことに直面する問題があります。
そんなときに頼りになるのが、過去の経緯を熟知している販売員のいるお店です。困ったとき、いつでも気軽に相談できる販売員のいるお店をつくることが、ハッピーなオーディオライフへの近道です。
 
■いい販売員を見つけよう
販売員はオーディオの知識や製品に関する知識は一般の人よりも豊富ですが、その知識の豊富さや正しさは、販売員により大きな差があります。的確なアドバイスを受けるには、豊富で正しい知識をもつ販売員ということになりますが、それだけではありません。何と言っても大事なのは、お客様の立場に立ってアドバイスしてくれる販売員が一番です。

しかし、販売員が豊富で正しい知識をもっているか判断するのは初心者にとってむずかしいかもしれません。そんなときは、このサイトで勉強したことを質問して、その回答で判断してみてはどうでしょうか。例えば、「歪が少ないほど音はいいのですか」など・・・。
また、特定の製品を押し付けるのではなく、お客様の意向や環境などに関して、いろいろ質問をしてくる販売員は、お客様の考えていることを引き出して、一番フィットする製品を選ぼうとしている人なので、親身に相談に乗ってくれるはずです。知ったかぶりをせずに、どんどん積極的に分からないことやどのようなことを求めているかを伝えるのがいいでしょう。

ともかく、販売員は購入を決める鍵を握っているだけでなく、前項で説明したように、困ったとき、何かと相談相手になってくれる主治医のようなものなのです。患者と主治医の関係は、その販売員から品物を買ったときから始まり、長く続きますから、なるべく腕の良い主治医を見つけるよう心掛けてください。
 
■試聴に際しての注意
店頭で出ている音が我が家でも再現できるのか不安を持つ人も少なからずおられます。確かに、部屋の音響特性が変われば出てくる音も変わるので心配されるのも無理はありません。
しかし、自宅で試聴できない限り、店頭で出ている音から我が家での音を推測するより他に方法はありません。そこで、店頭での試聴の際の注意点と、その機器がセッティングによって自分の求める音を出せる可能性が高いかどうかの見分け方を紹介することにします。

<試聴のときはスピーカーの高さに耳の高さを合わせる>
店頭に置かれているスピーカーの高さはさまざまです。もしも、耳の高さがスピーカーよりも極端に高かったり低かったりすると、中音や高音の音圧レベルが下がりますから、なるべくスピーカーの高さに耳の高さを合わせて試聴してください。

そのような現象が起こる理由は2つあります。
ひとつは、2つのスピーカーユニット(2ウェイの場合はウーファーとツィーター)から同じ音域の音が放射され、それらが互いに干渉し合うことにあります。
例えば、2ウェイシステムの場合、クロスオーバー周波数は2kHz〜3kHzに採られることが多いですが、この近辺の周波数の音はウーファーとツィーターの両方から放射されます。もしも、耳の高さが極端に高かいとすると、ツィーターから出た音よりもウーファーから出た音の方が遅れて届きます。そのため、ボーカルなどの中音域の音が弱く聴こえるます。
詳しくは「スピーカーの位置決め」の「スピーカーの高さ」の項で詳しく説明しています。
もうひとつの理はが、スピーカーが指向特性を持っていることです。
右のグラフはスピーカーの指向特性を示したもので、スピーカーからさまざまな方向に放射される音の大きさを、中心からの長さで表わしています。

この図から分かるように、スピーカーから放射された音は、高音になるほど直進性が増して、横に拡がらなくなります。そのため、耳の位置とスピーカーから角度がつけばつくほど高音のレベルが下がるので、高音が聴こえにくくなります。

スピーカーの指向特性
<スピーカーの置かれている環境で音は変わる>
右上のスピーカーの指向特性図が示すように、スピーカーから放射された音は、周波数が低くなるにつれて低音は指向性が広くなり、上下左右だけでなく、後方にまで広がります。
その結果、スピーカーが壁や床近くに置かれるほど、周囲の壁や床で反射される割合は中・高音よりも低音の方が多くなり、低音の量が増す傾向にあります。

そこで、複数のスピーカーを比較試聴する際は、各々のスピーカーがどこに置かれているかを観察し、設置される環境に違いがあれば、例えば、壁までの距離が近かかったり、あるいは厚い壁の近くに置かれているスピーカーがあれば、そのスピーカーの音は鳴りが良くなるので、ある程度割り引いてやる必要があります。

また、スピーカーがコーナー近くに置かれている場合や、凹んだ空間に置かれている場合は、音がこもりやすくなります。こもりの原因がスピーカーそのものにあることは稀で、ほとんどが設置緩急からくるものなので、こもりを差し引いて評価するか、正確な評価をしたいなら、スピーカーの設置場所を替えられるなら、替えてもらうようにしましょう。

一方、たくさんのスピーカーが設置されている試聴室では、低域から中低域にかけてのエネルギー感が損なわれる傾向にあります。それは演奏中のスピーカーから放射された音、つまり振動板によって発生した気圧の変化が、周囲のスピーカー(特にウーファー)によって吸収されるためです。そのため、家で聴く音は、このような場所で出ている音よりも、低域から中低域の音は厚くなりますから、このことも念頭に入れて評価されるといいでしょう。

このように店頭での試聴は、スピーカーの置かれる位置や環境で評価が変わることがあります。そのため、評価のポイントを「低音がよく出ているか、声がきれいか」といった聴き方ではなく、

楽器の大きさ、楽器の構造、演奏の方法など、その楽器の特色がうまく再現できているか

という点に着目して試聴する方が、その機器の実力を把握しやすいです。
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