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 セッティング   -ホームシアターの特例事項-  予備知識スピーカーの位置決め
ケーブルの接続方法部屋のチューニング振動のコントロール|ホームシアターの特例事項|まとめ

ホームシアターの特例事項
スピーカー配置
スピーカー設定
テレビラックの処理
テレビ後方の処理
 
 
ホームシアターは、5.1チャンネルや7.1チャンネルなど、チャンネル数は多いですが、スピーカー位置の決め方やケーブルの接続方法、あるいは振動の対策など、2チャンネルで有効な対策はそのまま適用できます。
それは多チャンネルといえども、1チャンネルごとのクォリティアップがシステム全体の音質を向上させることにつながるからです。
そのため、音のいいホームシアターの構築には、これまで紹介してきた手法で各チャンネルのクォリティを向上させ、そして、スピーカーから放射された高いクォリティの音を変質させることなく耳に届けることが大切なのです。

ただ、ホームシアターは多数のスピーカーやサブウーファーを使用するほかに、テレビやスクリーンといったディスプレイが加わるなどの特殊事情があります。そのため、このページでは、ホームシアターならではの特例事項を取り上げることにしました。
 
■スピーカー配置
「機器の種類と役割」のページで、ホームシアターにおける基本的なスピーカーの配置を紹介しましたが、個々のスピーカーの設置に関してもう少し詳しく説明します。

フロントスピーカーFLとFR
基本的にはリスニングポイントから見て60度に配置します。その上で、「スピーカーの位置決め」で紹介した方法で、リアルなステージができるように、許される範囲で壁から距離スピーカーの間隔、振り角の調整を行なってください。

しかし、ディスプレイが小さいと、スピーカーがディスプレイから離れ過ぎてしまい、音と映像の一体感が薄れてしまうことがあります。そのような場合は、2チャンネルの音楽再生を主目的にする場合はそのままでいいですが、映画のマルチチャンネル再生を重視する場合は、音と映像の一体感が出るまで両スピーカーの間隔を狭めてください。

なお、スピーカーの高さは、ツィーターの下が耳の高さになるようにするのが基本ですが、ディスプレイと高さが大きく異なるときは、中音域や高音域が不明瞭にならない範囲でディスプレイの高さに近付けて、音の映像の一体感が増す方向でまとめるのも選択肢のひとつです。

センタースピーカーC
画面中央付近の音を受け持つスピーカーなのでディスプレイの左右中央に設置します。高さ方向は、なるべくディスプレイに近付けて、音と映像の一体感が増すようにしてください。
なお、テレビラックの中の奥まった位置にスピーカーを設置すると音がこもるので、可能な限り前の方に出すようにしてください。

サラウンドスピーカーSLとSR
5.1チャンネルの場合、ドルビーラボラトリーやTHXでは、リスニングポイントの真横を推奨していますが、個人的には、奥行き感を出すため、そこよりも少し後方に設置する方がいいと考えています。
7.1チャンネルの場合はリスニングポイントの真横に設置します。
なお、高さは耳より高い位置、60cmから1mくらいの高さがいいでしょう。それより高くなり過ぎる場合は、市販の天吊金具を使用して、スピーカーがリスニングポイントに向くよう角度を調整すれば、中音や高音が聴こえにくくなることを防止することができます。

5.1チャンネルのスピーカー配置

7.1チャンネルのスピーカー配置

サラウンドバックスピーカーSBLとSBR
リスニングポイントから見て60度の位置がベストですが、多少スピーカー間の間隔が狭くなってもかまいません。高さはサラウンドスピーカーに準じます。

サブウーファーSW
このスピーカーが受け持つ帯域は、波長の長い重低音なので、リスニングポイントに接近させない限り、どこに設置してもスピーカーの存在感(どこで鳴っているのかが分かること)は感じません。そういった意味ではどこに設置してもかまわないのですが、設置場所により、よく聴こえたり聴こえにくかったりするので、なるべくよく聴こえる場所を選ぶようにしてください。
さらに、サブウーファーの音と他のスピーカーの音のつながりがスムースになる位置を選ぶのが、サブウーファー設置のポイントです。その理由は、サブウーファーの音は他のスピーカーの音と空間で合成されて耳に届きますます。そのため、それぞれの音が到達する時間差によって特定の音域が強調されたり、減衰されたりすることがあるからです。

ところで、サブウーファーをアンプやプレーヤー類と同じテレビラックに入れている人をときどき見かけます。サブウーファーはスピーカーの中でも最も大きな振動を伴うスピーカーなので、この振動がアンプなどを激しく揺すって音を劣化させてしまいますから、振動が伝わりにくい、しっかりとした床に置くようにしてください。
 
■スピーカー設定
ホームシアターを始める人が面食らわれるのが各種の設定の多さと煩雑さだと思います。中でもスピーカー設定は、音による包囲感や音像の定位、移動を正確に再現する上で重要な項目で、この設定のいかんによって、映画のシーンの中にいるようなイリュージョンの感じ方はずいぶん変わってきます。

そこで、この設定を容易にするため、ほとんどのAVアンプにはマイクロフォンをリスニングポイントに置いて測定し、自動でスピーカー設定をしてくれる機能を備えています。この機能は初心者にはうれしい機能ですが、反面、この機能を利用した人からは「思ったよりも音が良くない」とか「セリフが不明瞭だ」といった声も聞かれます。

自分が求める音を得るには、機械任せにするのではなく、ご自身がマニュアルで納得のいく音に仕上げられることをお勧めします。マニュアル設定はメーカーや同じメーカーでも機種により画面の表示などは異なりますが、ここで紹介する基本をマスターすればどのような製品でも対応できます。

Speaker Configuration(スピーカーコンフィグ)
スピーカーの構成を設定するもので、各チャンネルのスピーカーの「あり」「なし」と、各スピーカーに送り込む周波数範囲を設定します。

一般的なAVアンプでは、スピーカーが「あり」の場合、右の図のように、「Full Band」か周波数の値を選択し、「なし」の場合は「None」を選択します。
「Full Band」は、そのチャンネルの低音から高音まで、すべての音がピーカーに送り込まれます。一方、スピーカーに送り込む下限の周波数を設定するときは、周波数の数値を選択します。
低音まで十分に再生し切れない小型のスピーカー場合はこちらを使用します。仮に、80Hzを選択すれば、80Hz以上の音はスピーカーに、80Hz以下の音はサブウーファーに送リ込まれます。

Speaker Configurationの画面
このような面倒な設定をしなければならない理由は、映画の音声にはすごい低音が入っていて、小型スピーカーにそのまま低音をぶち込むと、スピーカーが破綻をきたすので、それを避けるために行なうのです。
音質的には、なるべく低い周波数を選択する方が有利ですが、低音に歪感が現れたり、異音がする場合は、そのスピーカーの限界を超える低音が入力されているので、より高い周波数に設定を変更してください。

ホームシアターパッケージなど安価なAVアンプには、スピーカーが「あり」の場合、「Large」か「Small」のどちらかを選択するものがあります。「Large」は比較的大口径のウーファーの場合に選択し、口径が小さいウーファーの場合は「Small」を選択します。その境界となるサイズは16cmくらいが多いようですが、念のため取扱説明書で確認してください。

なお、スピーカーが存在しないのに「あり」を選択すると、そのチャンネルに収録された音は聴こえなくなります。スピーカーが存在しないときは、必ず「None」に設定して、そのチャンネルに収録された音を他のスピーカーで再生するようにしてください。

※製品の中にはサラウンドバックやサブウーファーのチャンネル数を設定する機種があります

Speaker Distance(スピーカー距離)
リスニングポイントからスピーカーまでの距離を設定します。各スピーカーからリスニングポイントまでの距離に差があると、各スピーカーから放射された音がリスニングポイントに到達する時間にズレが生じ、音像の定位や移動が不明確になってしまいます。
(音像の定位や移動についてはこちらをご覧ください)

そこで、この時間差を補正して、各スピーカーから放射された音が同じタイミングでリスナーに届けるようにするのが、この設定の目的です。
サブウーファーは若干長めに設定する方が、他のスピーカーとのタイミングが合うことがあるので一度試してみてください。

設定の方法は、リスニングポイントからスピーカーまでの距離を実測し、その長さに近い数値を選択するだけです。

Level Calibration(レベル調整)
各スピーカーで再生される音量に差があると、音像の定位や移動が正確に再現できなくなるので、すべてのスピーカーがリスニングポイントで同じ音量に聴こえるようにするのが、この設定です。
テスト信号を再生し、各スピーカーの音量が等しくなるように音量を調節してください。基本的にはフロントスピーカーを「0dB」にしておいて、他のスピーカーの音量がフロントスピーカーと同じ音量になるように調整します。
サブウーファーは重低音だけ再生されるので他のスピーカーとレベルを合わせるのは慣れないとむずかしいので、必ず映画を再生して確認してください。

Equalizer Setting(イコライザー設定)
イコライザーは低音から高音までを何音域かに分割し、それぞれの音域を強調または減衰させて音色を変化させるもの(音質を改善するものではありません)で、好みの音にしたり、部屋の音響特性を補正したりするときなどに使用します。

しかし、イコライザーを多用すると、位相が回転し、明瞭度が損なわれるなど、音質的な不利益をもたらすといったマイナス面を持ち合わせていますので、イコライザーの使用は最小限に止めたいものです。とりわけ、システム全体の音を一番支配するフロントスピーカーは、なるべくイコライザーを使用しなくても済ように、壁からの距離スピーカーの間隔、振り角をしっかり調整するよう心掛けてください。


Speaker Distanceの画面

Level Calibrationの画面

Equalizer Settingの画面
ところで、音像の定位や音の移動を正確に再現するには、各スピーカーの音色が揃うことが大切なのですが、センターやサラウンドスピーカーにはフロントとは異なるスピーカーを使用する人は多く、それぞれ違った音を出しています。こういったケースでフロントスピーカーの音色に、完璧とはいかなくても、なるべく近い音色に他のスピーカーの音色を合わせるのにこのイコライザーが役立ちます。

ここでイコライザーを使用して、各スピーカーの音色を揃えるポイントを紹介しましょう。
まずフロントスピーカーはイコライザーを使用しない状態で、いい音が得られる位置を探し出してください。このときは、フロント2チャンネルだけを再生すると調整しやすいです。もしも、スピーカーの位置決めだけで満足のいく音に仕上がらなければ、若干のイコライザー補正を行なってください。

フロントスピーカーの音が決まったら、他のチャンネルをフロントスピーカーに似通った音に調整します。その際使用する音源が映画ソフトなどだと、チャンネルごとに収録されている音が異なる上、音が絶えず変化して判りづらいので、低音から高音まで全音域が含まれていて、かつ連続して同じ音がどのチャンネルでも再生できる音量調整に使用するテスト信号を使います。
このテスト信号をフロントと調整するチャンネルで再生し、2つの音を聴き比べます。違いがあれば、イコライザーを使用してフロントの音色に近付くように調整し、再度音色のチェックを行ない、不十分であれば、さらに調整します。これを繰り返して可能な限りフロントの音に近付けてください。
この作業はイコライザーが調整できるチャンネルごとに行なわねばならないので、少々面倒ですが、時間をかけてじっくり調整すれば、すばらしい映画の空間に身を置くことができます。

なお、イコライザーで大きく音色を変化させるほど、明瞭度など、質的な面が損なわれるので、なるべく変化幅は最小限に止めるようにしてください。
 
■テレビラックの処理
多くの家庭ではテレビラックが使用されますが、このテレビラックは意外と音を悪戯します。特に、センタースピーカーはテレビラックの中に設置されることが多く、映画制作者が最も心血を注ぐダイアローグの明瞭度が損なわれ、映画の雰囲気が台無しになってしまっているケースも多々見受けられます。
この悪戯者の正体は、ラック内の空間で起こる共鳴です。この空間に囲まれて設置されるセンターチャンネルの音はとりわけ共鳴の影響を受けやすく、モヤモヤした音になりがちです。
この空間における共鳴を除去する方法は、
・吸音材による反射音の吸収と
・本などの比重の大きいモノで詰めて空間を狭める
方法があります。

吸音材を多用すると、音の勢いが削がれることがあるので、両者を併用するのが無難です。

ラック内の共鳴対策
なお、前述したように、センタースピーカーは奥まった位置に設置すると音がこもるので、可能な限り前の方に出すようにしてください。
 
■テレビ後方の処理
テレビと後方の壁の間にできる空間も音の明瞭度を損ねる原因になります。
その対策方法は、
・テレビをなるべく壁に近付けて、空間の容積を小さくして、共鳴が起こりにくい環境くする。
その上で、
・吸音材を硬めに丸めて、テレビと壁の間に挟み込んで、さらに共鳴を抑え込みます。

丸めた吸音材は複数個用意し、アトランダムに挟み込めば、プラスチック製のテレビのリアパネルのビビリを抑えるのに効果があります。

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